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2021 AUTUMN

ユニークな地方都市観光をリードする

全羅北道の農村都市、淳昌(スンチャン)に暮らすレア・モロさんは、より広い世界を経験したいという自分の願いを人々と共有したいと思っている。

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レア・モロさんは週5日間、全羅南道淳昌郡のツアーバス「風景(プンギョン)バス」でガイドをつとめている。「風景バス」は剛泉山(カンチョンサン)国立公園、伝統コチュジャン民俗村、釵笄山(チェゲサン)など淳昌の主要観光名所を巡っている。

フランスのリオン市近郊にある人口1000人ほどの小さな村、イズロン(Yzeron)出身のレア・モロさんは自分のことを「主流の女性」ではないと紹介する。Kポップグループの中でもBTSやブラックピンクに感嘆はするものの、彼女が一番好きな歌手はインディバンドのセ・ソ・ニョン(SE SO NEON)だ。そしてソウルの名所よりは小都市の田舎暮らしが好きだ。

豊かな伝統文化・慣習が残っている全羅北道の地方都市、淳昌(スンチャン)でレアさんは地方公務員として、観光広報の仕事をしている。観光客は外国人のレアさんが淳昌地域の観光名所を絶賛し、広報する姿を見て当然驚く。レアさんの韓国語の発音は完璧ではないが、自分が理解した内容を伝えるときには、自然と心地よい雰囲気を盛り上げることができる。

淳昌は特産品のコチュジャンと多くの名勝地で有名だが、多くの人々が訪れるような観光地ではない。淳昌郡では2019年、より多くの観光客を誘致し気軽に周辺を観光してもらおうとバスツアーを導入し、そのためのガイドを探していた。

ジャズカフェを経営するレアさんの友人が彼女を推薦した。「私がフランス語、英語、韓国語ができるので、韓国人と外国人観光客の両方を誘致するのにプラスになると友人が説得しました」とレアさんは言う。彼女はすでにユーチューブで旅行チャンネルを運営しており、観光産業関連の経験もあった。

淳昌郡は彼女のために観光広報官のポストを作ることを決定したが、外国人を公務員として採用するためには上部機関の許可を得なければならなかった。6カ月後に彼女は広報官として採用された。地域の人々は彼女を「フランス公務員」と呼んでいる。

レアさんは地元で人気が高い。彼女はスクーターに乗って飛び回っているが、スクーターのボックスには作業用の軍手、モンペズボン、カメラと韓服が入っている。彼女は自分の仕事を成し遂げるかたわらで、農家の仕事を手伝わなければならない場合や、ビデオ映像を撮りたいときもあるからだ。また、韓国で暮らす外国人を紹介するKBSのバラエティ番組『隣のチャールス』のようなテレビ番組に出演したのも、広報の仕事の一部だと考えたからだ。

彼女は、小都市には見るものがないという偏見をなくし、韓国にはKポップやKドラマ、そしてソウル以外にも意外と多くの素晴らしい体験ができることを伝えたい。

放浪癖

故郷の村イズロンから淳昌までやって来ることになったのは、旅を愛していたからだった。フランスの田舎で育ったレアさんは、いつも外の世界にあこがれていた。そしてついに幼い彼女は、家族旅行でバリに行くことになり、その時からすべてが始まった。「オートバイに乗ったんです。両親は私と妹を足の間に乗せてくれました。この旅行が私の人生のすべてを変えてしまったのだと思っています」とレアさんは回想する。「旅を通じて世界には様々な容姿、様々な文化や言語があることに気づきました。そして、異なる言葉を学ぶことがより多くのチャンスをもたらしてくれることに気づいたんです」。

高校を卒業するとレアさんはオーストラリアで18カ月間働きながら英語を学び、時にはグレート・バリア・リーフでダイビングを楽しんだ。その後タイに行き、そこを拠点として東南アジアを旅した。結局、旅行産業に本腰を入れて、オンライン授業を通じて観光経営の学士号を取得した。この授業の条件の一つがいずれかの国で6カ月間インターンシップをすることだった。韓国人の友達が光州にある外国人用のゲストハウス「ペドロハウス」と旅行カフェを推薦してくれた。2016年韓国にやって来た彼女は、2年間ほどこのゲストハウスで働くことになった。

「光州を愛するようになりましたね」と彼女は言う。「私が幼少のころ、歴史が好きだったおじいさんから韓国の歴史について学びました。おじいさんは韓国と北朝鮮について教えてくれました。でも光州や、1980年5月18日に起きた光州民主化運動については全く知りませんでした。光州は韓国の現代史と韓国社会について学ぶことのできる良いところでした」。

光州で暮らす間、彼女は全羅道地域をちょくちょく旅行し、特に沿海の島々を含めた田舎を時間がある限り訪れた。しかし、外国人のための観光情報がなかったので、外国人バックパッカーが旅するには決して容易ではなかった。そこで彼女は、ペドロハウスのオーナーであるペドロキム(本名:キム・ヒョンソク)さんと一緒にガイドブックを書くことにした。残念ながら本としては出版されなかったが、その内容はオンラインの『チョルラゴー(全羅GO)』という名前のチャンネルに生まれ変わった。

その後、慶尚道地域に対して好奇心を抱いた彼女は、造船業が盛んな町である巨済島の文化センターでもしばらくの間働いた。そして光州に戻ってきた彼女は、もう少し持続的な仕事を願っていた。そんな彼女に淳昌での仕事が舞い込んできたのだった。

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母国のフランス語は当然、韓国語や英語もできるレアさんは、主に淳昌を訪れる外国人観光客をガイドするはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大により最近では主に韓国人をガイドしている。韓国人観光客は彼女の韓国語の説明を聞きながら、淳昌の名所旧跡を興味津々に観て回る。
ⓒ Lea Moreau

多忙なガイド
観光広報官であり経験豊富なバックパッカーとしてのレアさんは、観光客にあまり知られていないところを発見し紹介するのを楽しみとしている。彼女は小都市には見るものがないという偏見をなくし、韓国にはKポップやKドラマ、そしてソウル以外にも、思いのほか多くの素晴らしい体験ができることを伝えたいという。

彼女はそんな淳昌の魅力のひとつとして、韓国で最も長いつり橋の一つが淳昌にあると話す。さらに春には、花見の名所の鎭海や河東のように見物人で混み合うこともなく、心静かに花見気分にひたれる。秋には剛泉山(カンチョンサン)国立公園の紅葉が観光客を魅了する。

しかし、彼女が新しい仕事を始めるやいなや、世界的なコロナのパンデミックが押し寄せ、観光は事実上ほとんどストップ状態だ。車体に笑顔が描かれた屋根のないオープントップ型の特別仕様の「淳昌シティツアーバス」は現在、一週間に3回、1日におよそ10人ほどの観光客を乗せて走っている。ソーシャルディスタンスの確保という方針に従い、乗客は全員バスに乗る前に体温をチェックする。ツアーは外国人乗客がいない場合には韓国語で進行する。

ほとんどの旅行がバーチャル体験で行われている今、レアさんは広報の仕事をSNSを通じて続けている。毎週一回程度、彼女は『全羅GO』に新しい内容をアップロードし、淳昌郡の公式ユーチューブチャンネル『スンチャン・チューブ』とコラボレーションしている。このような仕事を彼女は最も好きだと言う。「映像撮影が好きなんです。高校に通っていた頃に、うちのクラスはマダガスカルに旅行したんですが、その時の撮影を私がしたんですよ。もちろんあの時の映像の質は決して良いとは言えませんが」と彼女は言う。

しかし、彼女の撮影技術が向上しているのは明らかだ。昨年、観光ビデオコンテストで受賞したからだ。150万ウォンの賞金で彼女はパノラマ撮影のためのドローンを購入した。

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地域の人々は彼女のことを「フランス公務員」と呼んでおり、レアさんは現在、淳昌郡微生物産業事業所の微生物係に所属する職員だ。淳昌はコチュジャン(唐辛子味噌)とテンジャン(味噌)で有名だが、微生物産業事業所はそのような発酵食品を研究・広報する仕事をしている。おかげでレアさんは、コチュジャンとテンジャンの作り方とその魅力に関して、韓国人と同じくらいよく知っている。
ⓒ Lea Moreau

夢を生きる
レアさんは最近、淳昌郡との契約を3年間延長した。「私が一番大切にしているものは、人と会って日常を共有することで、韓国をより深く知ることです」と彼女は説明する。「私が一箇所に留まる最も大きな理由は、私が出会った人々や親しくなった友人たちのためです。韓国人は本当に歓待してくれます。外国人を見ると、特に田舎では、救いの手を差しのべてくれます。私にはそんな出会いが、それ自体が一つの冒険となっています」。

レアさんは自分の韓国語が完ぺきではないのにも関わらず、同僚の公務員が自分に行政システムや仕事の内容についてレクチャーしてくれることを本当にありがたいと思っている。「私に多くの時間を割いて、私を信頼してくれていることを知っています」と彼女は言う。有難いという思いで彼女は一週間に10時間、オンライン韓国語の授業を聞いている。

レアさんの人生のモットーは「人生を夢見るのではなく、夢を生きよう」だ。彼女の目下の夢は、韓国での暮らしと旅行についての本を書くこと、旅行のテレビ番組を作ること、地域産業をもっと広報して地域共同体に寄与することなど、目標は山ほどある。何よりも人々がもっとたくさん旅をして、自分のグローバルな旅を共有できるようにインスピレーションを与える仕事を続けたい、と彼女は語る。

チョ・ユンジョン曺允廷、 コリアナ監修者、フリーランサーライター
ホ・ドンウク許東旭、 写真

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