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2023 SPRING

恋愛リアリティブームに込められた意味

ここ数年、各放送プラットフォームはまるで競うかのように恋愛リアリティ番組を放送している。このような流れはこれからもしばらくの間続くと見られるが、このような現象は韓国社会が直面している現実の恋愛、そして結婚が理想からかけ離れ、そのギャップを埋めようと、番組を通して疑似体験的に満たしているものとみなされる。


左 : 別れたカップルたちが一つの家に集まって過去の恋愛を振り返り、新しい縁と向き合い、自分だけの愛を探し求める恋愛リアリティ番組『乗り換え恋愛2』のポスター。
© TVING
右 : カップルにならないと出られない離島「地獄島」で繰り広げられるソロたちのの率直で熱いデートリアリティショー『脱出おひとり島2』のポスター
© Netflix



すでに放送が終了したり、あるいは今放送中の番組を見ると、恋愛リアリティジャンルが占拠していると言っても過言ではない。2021年に放送された『乗り換え恋愛』と『脱出おひとり島』(原題:ソロ地獄)がOTTチャンネルで大成功を収め、その後本格的に恋愛リアリティ番組が堰を切ったように次々とあふれ出した。2022年だけに限ってみても、TVINGの『乗り換え恋愛2』、『ラブ・キャッチャー・イン・バリ(Love Catcher in BALI)』、ケーブルチャンネルENA PLAY、SBS PLUSが制作した『私はSOLO』、ネットフリックス配信の『脱出おひとり島2(原題:ソロ地獄2)』、MBNの『ドルシングルズ3』、韓国初のLGBTQをテーマにしたリアリティ番組であるwavveの『Merry Queer』と『男の恋愛(原題:His Man)』、そして『恋するアプリーLove Alarmチャ! チャ! チャ!』など、数えきれないほどたくさんの恋愛リアリティ番組が放送されている。

韓国恋愛リアリティの二つの翼

自分に好意を持っている人が半径10m以内に近づくと、アラームが鳴るという設定を基にしたウェブ漫画の実写版、カップルマッチングバラエティ番組『恋するアプリ Love Alarm チャ!チャ!チャ!』
© Wavve



数多くの番組の中でも、昨今のブームを巻き起こした主役は何といっても『乗り換え恋愛』と『脱出おひとり島』のシリーズ。放送がスタートして早くもシーズン2の制作が決まり、大きな話題となった。いずれもOTTというプラットフォームから配信され、これまで地上波では試みられたことのないチャレンジと向き合った。ユーザ-の「選択的な」視聴を前提とするOTTは、視聴年齢制限さえきちんと設定されていれば、コンテンツのレベルが制裁を受けずに済むうえ、自由に構成できるからである。

これまで韓国で放送されてきた恋愛リアリティ番組ははっきり言って、ほとんどの内容がメロドラマのような感情的交流程度にとどまっていた。また、大抵の既存番組では、初めて出会ったごく普通の男女の恋愛過程が盛り込まれていただけだった。しかし『乗り換え恋愛』は、別れたカップルたちが同じ空間の中で過ごしながら他の誰かに「乗り換え」たり、あるいは別れたカップルが元のさやに「復帰」するというコンセプトで構成されている。元恋人が自分以外の誰かと親しくなっていくのをただ見守るしかない、いわゆる「感情的な刺激」が強く、従来のメディアでは挑めなかった破格的な試みだといえるだろう。また、Netflixを通じて国内はもちろん海外でも大きな反響を呼んだ『脱出おひとり島』シリーズは、韓国版『ザ・ジレンマ(原題:Too Hot To Handle)』と呼ばれるほど、肌の露出や濃厚なスキンシップなど、刺激的な面が多い。地獄島で出会った男女が相手を選択してカップルのマッチングに成功すれば、天国島で一晩を一緒に過ごすという破格的な設定だ。感情的な交流だけでなく、セクシーなボディを意図的に露出して見せたり、男女のスキンシップも誰はばかることなく見せてくれる。

この二つの番組は、韓国の恋愛リアリティに多大な影響を及ぼした。扇情的な身体露出はもちろん、コンセプトの多様化を通じて差別化を図り、離婚した男女、別れるべきか悩んでいるカップル、性的マイノリティ、バイセクシュアリティなど多様な出演者層を持つようになった。

驚くべき点は、このような変化がわずか1年の間に起きた現象だということだ。OTTという新しいプラットフォームの登場とともに恋愛リアリティは翼をつけ、内容やコンテンツの水位、刺激性という面で長い間固く閉ざされていたパンドラの箱を開けた。『乗り換え恋愛』と『脱出おひとり島』という二つの翼は、韓国芸能史に「恋愛リアリティ新世界」を大きく広げたのである。

恋愛リアリティ番組の変遷
これまでも恋愛リアリティ番組が制作されなかったわけではない。お見合いや合コンなどといった普通の恋愛文化に着目したMBCの『愛のスタジオ(1994-2001)』は、一般の参加者がスタジオで対話を交わし、ゲームをしながら気に入った相手を選ぶといったシンプルな内容だったが、当時は大きな人気を集めた。しかし、視聴者のエンタメ性の高いニーズを受け2000年代になると、参加者が一般人から芸能人へと代わり、互いに魅力を発散しながらゲームを通してマッチングし、カップルが誕生するという恋愛バラエティ番組へと変貌した。当時、海外ではすでに一般人参加者のプライバシーがありのまま公開される「リアリティショー」が流行していたが、韓国では地上波放送法による制限のため、このようなトレンドに追いつくことができなかった。しかしその後、恋愛リアリティ番組に対する大衆の欲求は高く、海外リアリティショーを韓国の社会的な雰囲気に相応しいレベルに調整し受け入れ始めるようになった。2008年に放送されたMBCの『私たち結婚しました』がその代表的な例である。一般人ではなく芸能人が出演して「仮想結婚」をするというコンセプトだった。この番組はシーズン4まで放送され2017年に終了したが、その間に放送界ではリアリティショー時代の幕が開いていた。

このような番組は「リアリティショー」という名ではなく「観察カメラ」という刺激度の低い表現で韓国のバラエティ番組に定着していき、2011年には韓国バージョンの恋愛リアリティショーとしてSBS『チャッ』が登場した。これは一般人の男女出演者たちが「愛情村」という特定空間で共に生活しながら相手を選ぶ過程を盛り込んだフォーマットで、最近流行している恋愛リアリティの元祖ともいえる。しかし、一般人に対する過度なプライバシー侵害という問題が浮き彫りになり、一時は停滞期もあった。その後、恋愛リアリティ番組は進化を繰り返し、現実の恋愛をまるで一本のメロドラマのように演出した『ハートシグナル』が2017年に放送された。一般人のリアリティと数々の演出、OTTという新しいプラットフォームという三拍子が揃い、今の『乗り換え恋愛』と『脱出おひとり島』のような番組の登場に至った。


番組と実際の恋愛・結婚観の乖離

真実と嘘が共存する空間でラブキャッチャーは、マネーキャッチャーを避けて真の愛を探し、マネーキャッチャーは、ラブキャッチャーを誘惑して賞金を獲得するというリアル恋愛心理ゲーム『ラブキャッチャー』
© TVING



恋愛リアリティ番組のブームは、一見恋愛や結婚に熱意を持っている青年男女によるものだと思われがちだが、現実はその正反対である。韓国の婚姻率は年を追うごとに激減している。韓国の統計庁の資料によると、2021年の婚姻件数は19万2,507件で、10年前の32万9,087件(2011年)に比べ13万4,566件(41.6%)も減少した。新型コロナウイルス感染症の影響もあるだろうが、全体的に韓国の婚姻率が減っているということは否めない事実である。

特に若年層では恋愛、結婚、出産をあきらめる人も増えている。恋愛はもちろんのこと、結婚や出産はいずれもある程度経済的な余裕があってこそ可能である。しかし、熾烈な就活競争が繰り広げられている韓国社会で、自分の身すら守れない若者たちが果たして恋愛、ましてや結婚を夢見ることは可能だろうか。結局、韓国の恋愛リアリティ番組のブームは、実際には恋愛が難しい人たちの「代理満足」としての意味合いがより強いということだ。

ここ1年間、まるで堰を切ったようにあふれ出した恋愛リアリティ番組を見ると、最近の韓国人若者たちの恋愛観の変化も読み取ることができる。カップル同士の愛情表現だけでなく、別れた後も関係を持続するという割り切ったドライな思考、スキンシップや同棲など、旧世代では見られなかった「オープン」な状況が見られる。また、異性愛はもちろん、バイセクシュアリティや性的マイノリティなど多様性を認めようとする姿も見られるようになった。

一方、Kコンテンツの観点から見れば、本来、恋愛は中核的な位置に置かれていた重要な素材だ。昨今のうねりのように押し寄せてくる恋愛リアリティ番組や、すでに海外で大きな人気を集めているロマンティック・コメディジャンルのKドラマがその証拠である。一足先にスタートした海外の番組に比べると、韓国の恋愛リアリティ番組は文化や情緒的な理由で制限が多いのも事実である。しかし、人物の感情を繊細に捉える韓国人ならではの感受性を強みに、これからも韓国の恋愛リアリティ番組は、ロマンチック・コメディーとともにグローバルマーケットをリードしていくものとみられる。

チョン・ドクヒョン鄭德賢、大衆文化評論家

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