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Guardians of Heritage

2023 AUTUMN

木版に彫る文字の力

木版に文字や絵を彫る刻字は、木版印刷と懸板製作の核心となる技術で、匠人は書体の特徴や文の意味を完全に理解していなければならない。刻字匠の技量は刻字の痕跡、文字自体の均衡度などで評価される。刻字匠キム・カッカン(金珏漢)は長い間、作品活動と伝承活動を続けてきた業績が認められ、2013年に国家無形文化財刻字匠保有者となった。
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刻字匠キム・カッカン(金珏漢)さんが刻字をしている様子。キム匠人は書籍用には組織が緻密で適当に堅固なオオヤマザクラの木を愛用している。


刻字は木版に文字や絵を彫ることだ。木版印刷物はもちろん、建築物にかける懸板も刻字で製作されてきたので長い歴史をもつ技術だ。刻字の技能を備えた匠人を刻字匠という。2013年に刻字匠保有者に認められたキム・カッカン氏は、放火により焼失してしまった崇禮門(南大門)の懸板、世界最古の金属活字印刷本『直指心體要節』(1377)の木版本、朝鮮戦争時に焼失してしまった『訓民正音諺解本』など国宝級の韓国文化財の復元作業を手がけてきた。

木工から刻字に
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固い木版に文字を精巧に彫るためには各種道具が必要だ。彼が使う道具は刀やノミ、ハンマーなど30種類に及ぶ。

匠人の始まりは木工芸だった。キム・カッカンさんは1957年慶尚北道金泉で農家の5男1女の5番目として生まれ小学校をなんとか卒業した。6年生の時に父が亡くなり、中学進学はあきらめざるを得なかった。それで金泉市内の木工所に通いながら木工の仕事を学び始めた。

「子供のころから手先が器用で、物を作るのが好きでした。村にはあちこちに木が転がっていましたから。おかげで小さい頃から木を扱うことには慣れていたんです」。

学業をあきらめきれなかった彼は、昼間は働き夜は勉強しながら卒業程度認定試験で中学・高校課程を修了した。兵役を終えてからソウルに上京し、鍾路のタプコル公園近くの木工芸学院に通い始めた。そんな中、1983年同徳美術館で開かれた刻字匠オ・オクジン(呉玉鎭)の個展が彼の人生を180度変える転機となった。

「その時に伝統的な刻字を始めて見ました。昔のソウルの地図『首善全図』を復元したものを見て一目で魅了されました。すぐにそれまでしていた仕事を整理して、先生を訪ねて教えを請いました」。

彼の師匠は1996年に刻字匠が国家無形文化財に指定された際、最初の保有者となった人物だった。キム・カカンさんは2005年に伝承教育士となり、その後、これまでの文化財復元と伝承活動が認められ、8年後に師匠に続き2代目保有者に指定された。師匠との出会いが、彼を木工職人から刻字の世界に踏み入れさせたのだとすれば、彼を真の匠人の道へと導いたのは、書道家パク・チュンシク(朴忠植)だった。

「刻字を学んで2年ほど経つと、漢字をきちんと理解しなくてはと切実に感じるようになりました。文字を扱う工芸なので、文と文字に対する理解がなければそれ以上前に進むことはできません」。

彼は本格的に書道を学ぶことにし、先生の書室のあった方背洞近くに引っ越した。そのときに作った小さな空間が、その後今の工房となっていった。彼の学びに対する情熱は、1992年放送通信大学中語中文学科入学へとつながった。遅く始めた勉学であるだけに必死だった。働きながらの勉学なので卒業には6年かかったが、文字に対する勉強は今も続けている。

治木から印出まで

刻字の核心は彫ることだが、その始まりと終わりは木だと言っても過言ではない。適切な木を手にいれ、長い間乾燥させて整える製材工程が重要だからだ。

「懸版は用途に従いヤマナシの木、松など様々な樹種を使います。しかし書籍版用としては、組織が緻密で適当に堅固なオオヤマザクラの木が最も適しています。『八万大蔵経』の木版の樹種を分析したところ70%以上がオオヤマザクラでした。しかし木の種類よりも木を十分に熟成させる作業が、より重要です。7~8年以上乾燥させる工程を経て木目がうまく整えば、変形せずに長い間保存することができます」。

刻字する原稿や図案を準備したら、木を適当な大きさに切ってカンナで整えたあと、のり付けしたあと原稿や図案の紙を貼りつける。その際に印刷を目的とする木版は左右を反対にして貼り付ける。貼り付けた紙は手でこすって剥がし紙の厚さを半分ほどにしてから、サンドペーパーでこすって図案を木版に密着させる。それから油を塗って図案が鮮明に表れるようにするが、これを排字(植字)という。

「排字に使う油はどんな種類でもかまいませんが、加熱して焙煎されたものではなく、生のままで搾汁したものを使わなければなりません。加熱した油は固まってしまい文字を彫ることができません」。

刻字には文字や模様の特徴を考慮しながら作業に適した刀やノミ、ハンマーなどを使い分ける。木版本のように左右を入れ替えて彫るものを反書刻、公共の建物や寺刹などの懸板にそのまま彫ることを正書刻という。

刻字作業が終わった木版本の場合は、両脇に持ち手と通風しの機能を兼ねたマグリを作ってはめる。次に墨を均等に塗るが、その際に墨の濃度は刻字をした木版に合わせたものにする。墨を塗った木版の上に用紙をのせてバレンでこすって転写する。懸版の場合は刻字後、彩色して完成させる。

書体に対する理解
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キム匠人が書籍版を印刷した後、刻字の状態をチェックしている。刻字匠は大量の印刷が必要な書籍を作るために書籍版に文字と絵を彫る匠だ。

刻字の技法は大きく陰刻と陽刻に区分される。陰刻は文字自体を彫る技法で文字を基盤となる面よりも深く彫る。陽刻は文字の周辺を彫りぬいて、字体を立体的に突出させる技法だ。

「刻字の基本は陰刻ですが、それが一番難しいです。ただ画に沿って彫るだけでも何の文字なのか読むことはできます。しかし書体をみると、力の入った箇所、反対に力の抜けた箇所があり、そういうディテールに至るまで刻書でうまく表現しなくてはなりません。画に力の入ったところはより深く、広く彫ることで字が生きてきます。完成したときに誰の書体なのか分からなければなりません。言わば書体の特徴をよく知り、文章の流れを理解する必要があるということです」。

自身の名前が刻まれた多くの作品に囲まれた彼だが、目下の悩みは伝承に関することだ。

「この仕事だけで生活していくのは難しいので、若者たちは習おうとしません。ほとんどが趣味で習う高齢者です。私一人の力でどうにかなるものでもないので、心を空にすることにしました。これまでもそうしてきたように、作品のことだけ考えようと思います」。

まだ代表作と言えるのはないと謙遜する匠人は、刻字の未来を心配しながらも楽観的に捉えていた。

イ・ギスク 李基淑、フリーライター
イ・ミニ 李民熙、写真家

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